株式買取業者からの譲渡承認請求に応答しなかった会社のみなし承認と株主総会決議の取消し―大阪高等裁判所令和7年9月4日判決
株式買取業者から譲渡承認請求を受けた非上場会社が応答せず、名義書換えと招集通知も拒んだ事案で、売買の無効の主張を退け、みなし承認により買取業者を株主と確認し、定時株主総会の決議を取り消した判例を、発行会社の視点で解説します。
株式併合による株主代表訴訟の原告適格の喪失と元役員の会計処理責任―東京高等裁判所令和7年3月19日判決
会計処理を理由とする役員責任訴訟の係属中に会社が株式併合を行い、株主が端数株主となった場面で、第一審の役員5名への賠償命令が、控訴審で株主の訴えの却下と会社の請求の全部棄却に変わった経過を、会社・支配株主の側から解説します。
株式併合後の期間経過と反対株主の株式買取請求―東京地方裁判所令和7年3月14日判決
公開買付け後の株式併合で端数株主となった元株主が、株式買取請求の期間経過後に通常の訴訟で買取代金・損害賠償・不当利得を求めた場面で、会社法の手続によってのみ買取りを求め得るとして請求を全部棄却した判例を、会社・支配株主の側から解説します。
相続人等に対する売渡請求の撤回と不法行為―東京地方裁判所令和6年10月31日判決
相続人に会社法176条の売渡請求をした非公開会社が、裁判所の鑑定後に価格決定の申立てを取り下げた場面で、撤回は終局決定又は和解まで広く許され、信義則違反等の例外を除き不法行為にならないとした判決を、会社の側から解説します。
完全子会社株式の譲渡価格と取締役の善管注意義務―東京地方裁判所令和6年9月12日判決
完全子会社2社の全株式を関係会社へ譲渡した価格について株主代表訴訟を提起された取締役らの判例です。客観的資料に基づく一応合理的な算定方法で譲渡価額を決めた場合は特別の事情がない限り善管注意義務違反にならないとして請求を棄却した判決を、会社・役員の側から解説します。
品質不正品の出荷と国への報告・公表の遅れに関する取締役の責任―大阪地方裁判所令和6年1月26日判決
子会社の品質不正が発覚した後、出荷停止の方針を撤回して基準に適合しない免震積層ゴムを出荷させ、国への報告・公表も遅らせた親会社の取締役の責任が株主代表訴訟で問われた判例です。部下の報告への信頼の限界と報告・公表の時期の判断を、会社・役員の側から解説します。
定足数を緩和する定款変更を経た株式併合決議の取消し―東京高等裁判所令和5年9月28日判決
株式併合で少数株主の排除を計画する会社・支配株主向けに、50%株主が単独で定足数を緩和する定款変更をし、提訴期間の経過後に行った株式併合決議が、決議の方法が著しく不公正として取り消された判例を、第一審と控訴審をあわせて解説します。
元代表取締役の海外投資・貸付けの経営判断と任務懈怠責任―東京地方裁判所令和5年9月19日判決
全株式の譲渡で経営者が交代した後、会社が元代表取締役の在任中の海外投資・貸付け7案件の責任を追及した判例です。損失だけでは経営判断の著しい不合理は推認されないとしつつ、個人名義での区画購入と回収見込みのない貸付けの2案件で任務懈怠を認めた判断を、取締役・会社の側から解説します。
他社株式の買収に当たっての調査の懈怠と取締役の責任―東京地方裁判所令和4年3月23日判決
債務超過の会社の株式を買い取り貸付けも重ねた会社が、買収を主導した弁護士である元取締役の責任を追及した判例です。保険積立金の実態を調べずに買収を進めた調査義務違反を認め、1,800万円の賠償を命じた判断を会社側から解説します。
株式併合による少数株主の締め出しと株主総会決議の効力―札幌高等裁判所令和3年11月26日判決
非上場の同族会社が、対立してきた親族株主を株式併合で締め出した場面で、少数株主が求めた株主総会決議の無効確認と取消しを退けた判例です。締め出し目的の株式併合と正当な事業目的、交付額の扱いを会社側の視点で解説します。
株主間の取締役選任合意の効力と相続による承継―東京高等裁判所令和2年1月22日判決
同族会社で先代の株主どうしが交わした取締役選任合意を根拠に、相続人が支配株主側に取締役選任議案への賛成を求めた場面で、合意の効力・承継・期間の限界を判断した第一審と控訴審の判決を、会社・支配株主の側から解説します。
完全子会社の個人情報流出と持株会社の取締役の内部統制の責任―広島高等裁判所岡山支部令和元年10月18日判決
完全子会社の委託先から顧客の個人情報が流出し、株主が持株会社の取締役6名に260億円の株主代表訴訟を起こした判例です。親会社の取締役は特段の事情がない限り子会社の業務執行について同内容の義務を負わず、内部統制はひととおり構築・運用されていたとして請求を棄却した判断を、会社・取締役の側から解説します。
株主代表訴訟で問われた不正会計と代表取締役の監視義務・内部統制システム構築義務―東京地方裁判所平成30年3月29日判決
上場会社の不正会計の後、株主が創業者である代表取締役の監視義務違反・内部統制システム構築義務違反・違法配当等の責任を追及した株主代表訴訟の判例です。不正の認識も体制の不備も認められず請求が棄却された判断を、会社・役員の側から解説します。
特例有限会社における相続人等に対する株式売渡請求の決議要件と決議の取消し―広島高等裁判所松江支部平成30年3月14日判決
特例有限会社が亡くなった代表者の相続人に株式の売渡しを請求した株主総会決議について、議決権を行使できない相続人の議決権も分母に含めて4分の3以上の要件を満たさないとして取り消した第一審と控訴審の判断を、会社・支配株主の側から解説します。
経営の承継後に前代表取締役が提起した株主総会決議不存在確認の訴えと訴権の濫用―東京地方裁判所平成29年9月11日判決
株式譲渡で後継者に経営を承継した後、前代表取締役らが後継者を取締役に選任した株主総会決議の不存在確認等を求めた事件の判例です。経営支配権の取戻しを目的とする訴えを訴権の濫用として却下した判断を、会社の側から解説します。
株主代表訴訟で問われた会社による車両の購入と、私的な使用目的の有無―東京地方裁判所平成25年5月29日判決
会社に購入させた乗用車を役員が私的に使う目的だったとして、少数株主が株主代表訴訟で取締役2名の責任を追及した判例です。送迎や銀行・事務用品の買物など業務上の使用目的があり、私的使用が主たる目的とは認められず、裁量の逸脱もないとして請求を棄却しました。
株式譲渡の効力を争っていた売主株主の譲渡所得の収入すべき時期―東京地方裁判所平成24年8月30日判決
非上場会社の株式を総額125億円・36回の分割払で米国法人に売却した株主2名が、譲渡の無効を争って売却年の譲渡所得を申告しなかった事件の判決です。東京地方裁判所は、合意は有効で収入すべき時期は売却年とし、後の契約の結び直しも影響しないとして請求を棄却しました。
株主代表訴訟で問われた株主旅行の費用負担・退職金の上乗せと取締役の責任―那覇地方裁判所平成13年2月27日判決
非上場会社の株主が、会社負担の株主旅行や従業員への退職金の上乗せ等を理由に取締役の責任を追及した株主代表訴訟の判例です。旅行費用と監査役報酬の上限超過で責任を認め、退職金と自己株式の譲渡では否定した判断を会社側から解説します。






