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品質不正品の出荷と国への報告・公表の遅れに関する取締役の責任―大阪地方裁判所令和6年1月26日判決

公開 2024年1月26日

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タイヤ・ゴム製品メーカーの完全子会社が、建築基準法に基づく国土交通大臣の認定で定められた性能の基準に適合しない建築用の免震積層ゴムを出荷していた問題で、株主が、親会社の取締役4名に対し、出荷の停止を判断しなかったこと、国土交通省への報告と一般への公表を判断しなかったことについて、合計4億円を会社に支払うよう求めた株主代表訴訟の判例です。大阪地方裁判所令和6年1月26日判決は、技術担当者の報告を信頼して出荷停止の方針を撤回した取締役2名について、その報告に依拠することに躊躇を覚えさせる特段の事情があったとして出荷停止に係る責任を認め、さらに取締役4名全員について、基準に適合しない製品があることが社内で明らかになった時点で報告・公表の判断をしなかった責任を認めました。

他方で、判決は、出荷を決めた会議に出席しておらず、技術的な検討に直接携わっていなかった取締役2名については、他の取締役や技術担当者の検討結果を信頼したことには合理性があるとして、出荷停止に係る責任を否定しました。また、損害は、株主が主張した額の一部に限って認められました。

本記事では、判決が認定した事実と判断の枠組みを整理し、不祥事が発覚した後の出荷の停止や公表の判断について、株主から代表訴訟で責任を問われ得る会社と役員の側が、判決本文から何を読み取れるかを確認します。

Contents
  1. 裁判例の基本情報
  2. 当事者の表記
  3. 事案の概要
    1. 免震積層ゴムは、国土交通大臣の認定を受けた基準への適合を前提に販売される建築材料である
    2. 実物大の製品の性能は、2台の試験機の測定結果を補正して算出されていた
    3. 担当者の報告で、補正係数に技術的根拠がない疑いが社内で明らかになった
    4. 平成26年5月以降、親会社の取締役らが報告を受けて調査が進められた
    5. 平成26年9月、弁護士の助言を受けていったん出荷の停止を決めた
    6. 同日午後、技術本部長の報告を受けて出荷停止の方針が撤回された
    7. 過去の出荷品が基準に適合しないことが明らかになった後も、報告・公表はされなかった
    8. 平成27年2月に出荷停止と国土交通省への報告、同年3月に公表
    9. 会社の支払と、株主の提訴請求・代表訴訟
  4. 事案の経緯の時系列
  5. 当事者の請求と主要な主張
    1. 株主HRTの請求
    2. 判決が整理した3つの争点
    3. 主な主張の対立
  6. 結論を左右した争点
  7. 裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み
    1. 認定された重要な事実
    2. 出荷停止の判断に関する判断の枠組み
    3. 報告・公表の判断に関する判断の枠組み
    4. 判断の枠組みの整理
  8. 各主張を採用し又は排斥した理由
    1. 取締役NTB氏―本件技術報告に依拠することに躊躇を覚えさせる特段の事情があった
    2. 子会社が出荷したことは、親会社の取締役の責任を左右しない
    3. 取締役GTK氏―品質保証の責任者として疑問を感じることができた
    4. 取締役TSA氏―出荷を決めた会議に出席しておらず、検討結果を信頼したことに合理性がある
    5. 取締役KNR氏―技術の専門知識がなく、検討結果を信頼したことに合理性がある
    6. 平成26年9月16日の時点では、報告・公表の義務はなかった
    7. 平成26年10月23日の時点では、取締役4名全員に報告・公表の義務があった
    8. 製品の範囲と原因を特定し、体制を整えてから公表すべきであったとの主張は採用されなかった
  9. 損害についての判断
    1. 出荷停止に係る損害―改修工事費と不正問題への対応費用に限って認めた
    2. 報告・公表に係る損害―社外調査チームの費用は否定し、信用毀損2000万円を認めた
  10. 主文及び結論
  11. 判断の射程
    1. 参考となる点
    2. 一般化できない点
    3. 代表訴訟への備えとして、会社・役員が確認しておきたいこと
  12. よくあるご質問
    1. 担当部署が「基準に適合する」と報告すれば、取締役はそれを信頼して出荷を判断してよいのですか。
    2. 出荷を決めた会議に出席していなかった取締役も、責任を負いますか。
    3. 製品を出荷したのが子会社であれば、親会社の取締役は責任を負わないのですか。
    4. 不祥事の調査が終わるまで、国への報告や公表を控えてよいのですか。
    5. 取締役の責任が認められた場合、会社の損失の全額を賠償することになるのですか。
  13. 関連する記事と御相談のご案内

裁判例の基本情報

裁判所 大阪地方裁判所第4民事部
裁判日 令和6年1月26日
事件番号 平成28年(ワ)第7406号
裁判の形式 判決
審級 第一審
訴訟の種類 株主代表訴訟(会社法第423条第1項に基づく損害賠償請求)
結論 請求の一部を認容し、その余を棄却。取締役2名に連帯して1億3828万8810円、取締役4名に連帯して2000万円(いずれも遅延損害金を含む)を会社に支払うよう命じました
上訴の状況 控訴の有無及び確定は、判決本文からは確認できていません

この表は、判決本文の冒頭、主文及び事案の概要の記載に基づいて当事務所が作成したものです。

当事者の表記

判決に出てくる会社名・氏名は、本記事独自のイニシャルに置き換えています。判決が用いた「原告」「被告」及び英字の符号も、そのままでは使わず、次の表記に置き換えています。判決本文を引用する部分でも同じ表記に置き換え、その旨を示しています。

本記事の表記 立場
タイヤ・ゴム製品メーカーSKR 代表訴訟で損害を受けたとされる会社です(訴訟の当事者ではなく、株主が支払先として求めた会社)。各種タイヤとゴム製品の製造・販売等を目的とし、タイヤ事業が売上高の約8割を占めます。免震積層ゴムの売上高はグループ全体の0.2パーセント程度でした
免震ゴム製造子会社KHN 平成25年1月にタイヤ・ゴム製品メーカーSKRの完全子会社として設立され、免震積層ゴムを含む化工品の製造・開発・販売部門の移管を受けた会社です。本件で問題となった製品を出荷しました
株主HRT 原告。平成27年11月17日以降、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの株式100株(1単元)を継続して保有する株主です
取締役NTB氏 被告。タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの取締役で、非タイヤ事業本部の本部長として免震ゴム製造子会社KHNの担当取締役でした。主にウレタン事業に従事してきた方で、免震積層ゴムの製造・出荷業務に直接従事した経験はありませんでした
取締役GTK氏 被告。タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの取締役で、品質保証部門を含む技術統括センターの長、製品のリコールの判断を含む品質保証を担当する品質保証委員会の委員長でした。主にタイヤ事業に従事してきた方です
取締役TSA氏 被告。タイヤ・ゴム製品メーカーSKRのタイヤ事業本部長で、平成26年7月16日に代表取締役専務執行役員、同年11月1日に代表取締役社長に就任しました
取締役KNR氏 被告。タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの取締役常務執行役員・管理本部長で、法務を含むコンプライアンス関係業務を行う部門を担当していました。文系出身の総合職として入社した方です
代表取締役SCH氏 当時のタイヤ・ゴム製品メーカーSKRの代表取締役です。平成27年7月に辞任するまで代表取締役を務め、既に亡くなっています。訴訟の当事者ではありません。その妻が、被告である取締役4名の側に補助参加しています
子会社社長FKM氏 免震ゴム製造子会社KHNの代表取締役社長です(タイヤ・ゴム製品メーカーSKRから出向)
子会社技術生産本部長GSH氏 平成26年4月から、免震ゴム製造子会社KHNの取締役・執行役員・技術生産本部長を務めた方です
技術本部長HJK氏 タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの自動車ゴム製品技術本部長です。平成26年8月末頃から社内調査に加わりましたが、免震積層ゴムについて自ら技術的知識を有していなかったと認定されています
開発担当技術者KGS氏 平成8年頃から免震積層ゴムの開発に携わってきた技術者で、技術的根拠のない数値による大臣認定の申請や性能検査を行っていたとされた方です
後任の設計担当者JNR氏 開発担当技術者KGS氏から、性能検査後の補正作業や基準の合否判定の業務を引き継ぎ、補正係数に技術的根拠がないとの疑いを持って社内に報告した方です
化工品部門長KBU氏 タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの執行役員で、非タイヤ事業本部のうち化工品部門の長です
コンプライアンス部門長LCS氏 タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの執行役員で、法務を含むコンプライアンス統括部門の長です
子会社開発技術部長MKB氏、前任の技術生産本部長NZN氏 免震ゴム製造子会社KHNで、後任の設計担当者JNR氏から最初に報告を受けた上司の方々です
研究所技術者OKN氏 タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの中央研究所の技術者で、平成26年10月末頃から調査に加わった方です
元請建設会社WTR 本件の出荷品を発注した建設会社です
消防組合FDU 元請建設会社WTRに消防本部庁舎の建設工事を発注した消防組合です

判決は、平成26年9月19日に予定されていた消防本部庁舎用の免震積層ゴム19基の出荷を「本件出荷」、その製品を「本件出荷品」と呼んでおり、本記事でも同じ呼び方をします。判決が、せん断弾性係数の値で区別される高減衰ゴム系積層ゴム支承の一つの型式を英数字の略称で呼んでいる製品は、本記事では「本件型式品」と表記します。また、判決は、出荷を決めた会議での技術本部長HJK氏の報告を、報告者の符号を付けて呼んでいますが、本記事では「本件技術報告」と表記します。判決が「大臣評価基準」と呼ぶ、国土交通大臣の認定で認定された製品の性能指標の基準値は、本記事でも「大臣評価基準」と呼びます。判決本文上の事業本部の名称や委員会の英字の略称は、「非タイヤ事業本部」「品質保証委員会」のように一般的な表現に置き換えています。

事案の概要

免震積層ゴムは、国土交通大臣の認定を受けた基準への適合を前提に販売される建築材料である

判決が整理した法令の定めによれば、建築物の安全上重要な部分に使用する建築材料として国土交通大臣が定めるもの(指定建築材料)は、日本工業規格等に適合するか、国土交通大臣が定める技術的基準に適合することについて国土交通大臣の認定(大臣認定)を受けたものでなければなりません(当時の建築基準法第37条)。免震材料は指定建築材料とされ、適合すべき日本工業規格の定めはなく、大臣認定に係る技術的基準として、建物が水平方向に変形したときの復元力に関する性能指標(水平剛性)や振動を吸収する力に関する性能指標(減衰定数)などの基準値と、基準値に対するばらつきの基準値(乖離値)が定められます。

本件型式品の最新の大臣認定では、水平剛性と減衰定数の乖離値は、いずれも個々の製品につき基準値の±20パーセント、ある物件に用いられる製品全体の平均につき基準値の±10パーセントと定められていました。

実物大の製品の性能は、2台の試験機の測定結果を補正して算出されていた

判決の認定によれば、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRと免震ゴム製造子会社KHNには、実物大の試験体を最大0.015ヘルツ(約66秒に1回)の振動で試験できる26メガニュートンの試験機と、実物大より直径の小さいスケールモデルを最大0.5ヘルツ(2秒に1回)の振動で試験できる2メガニュートンの試験機がありました。実物大の試験体に0.5ヘルツの振動を加えた際の性能指標は、両方の試験機の測定結果を踏まえて振動数・温度・試験機の差異を解消するための補正係数を決め、実物大の試験体を0.015ヘルツで測定した実測値に補正を加えて算出していました。

担当者の報告で、補正係数に技術的根拠がない疑いが社内で明らかになった

判決の認定によれば、開発担当技術者KGS氏から業務を引き継いだ後任の設計担当者JNR氏は、補正係数に技術的根拠がないのではないかとの疑いを持ち、平成25年6月に子会社開発技術部長MKB氏に報告しましたが、この報告は上層部や親会社には伝えられませんでした。後任の設計担当者JNR氏は、平成26年2月頃、前任の技術生産本部長NZN氏にも報告し、子会社社長FKM氏は、同月26日、大臣評価基準を満たしていない製品が製造・販売されている可能性がある旨の報告を受けて調査を指示しました。平成26年4月に就任した子会社技術生産本部長GSH氏は、親会社に報告を行うこととしました。

平成26年5月以降、親会社の取締役らが報告を受けて調査が進められた

判決の認定によれば、子会社技術生産本部長GSH氏らは、平成26年5月12日、取締役NTB氏らに対し、補正のために乗じている数値が一定でなく技術的に根拠のない数値を用いている可能性がある旨を報告し、以後、取締役NTB氏の指示を受けて調査が行われることになりました。その後の主な経過は、次のとおりです。

  • 平成26年6月2日の会議のスライドには、平成16年12月以降出荷の物件では設計値に合わせるために補正係数を変更しており、その根拠が技術的に妥当とはいい難いこと、技術的に妥当と考えられる補正係数で合否判定を行うと現在の製品の多くが規格値を満足しないと推測できることが記載されていました。
  • 実物大の製品を測定する26メガニュートンの試験機は、荷重を検出するセンサー(ロードセル)の校正が10年以上行われておらず、その他の試験機メーカーが推奨する項目についてもメンテナンスが実行されていませんでした。校正には平成26年11月までかかるとの報告がされ、実際の校正は平成27年7月に行われました。
  • 平成26年7月上旬頃、後任の設計担当者JNR氏は、共有ファイルの中から「ダミー」という名前のファイルを発見し、開発担当技術者KGS氏から、実測に基づかない虚偽のデータに基づいて大臣認定を取得した旨の説明を受けました。
  • 平成26年7月17日の会議で、代表取締役SCH氏、取締役NTB氏、取締役GTK氏らは、性能検査と大臣認定の申請で技術的根拠のない補正が行われていたこと、本件型式品の性能指標が大臣評価基準に適合していないこと、試験機のメンテナンスが10年以上行われていないことなどの説明を受けました。
  • 平成26年8月13日の会議で、取締役4名全員が、本件型式品が大臣評価基準に適合していない可能性があることなどの報告を受けました。取締役TSA氏と取締役KNR氏は、この会議で初めて問題を詳しく知り、取締役TSA氏は、技術本部長HJK氏を調査に参加させるよう求めました。
  • 取締役KNR氏は、平成26年8月19日頃までに、グループ会社の一級建築士から、大臣評価基準を満たさない免震積層ゴムが使用された建築物は建築基準法に反する違法建築物になる旨の回答を得ました。
  • 平成26年8月中旬頃から、取締役NTB氏らは、大臣認定の申請書類(判決は「黒本」と呼んでいます)に振動数の基準が明示されておらず、どの振動数を基準とするかはメーカーの判断に委ねられているとの見解を前提に、0.015ヘルツでの実測値に振動数の差異を解消する補正を行わなければ大臣評価基準からの乖離を小さくできるのではないかとの考えに注目するようになりました。
  • 非タイヤ事業本部と免震ゴム製造子会社KHNは、平成26年8月下旬頃、同年9月1日以降は本件型式品の新規受注をしない方針を決めました。

平成26年9月、弁護士の助言を受けていったん出荷の停止を決めた

判決の認定によれば、平成26年9月8日頃、0.015ヘルツでの実測値に振動数の差異を解消する補正を施さずに測定値を算出する方法を性能検査で用いる方針が決められましたが、この方法によっても一部の本件型式品の減衰定数の乖離値は大臣評価基準に適合しませんでした。そこで、2台の試験機の差異(機差)を解消する補正を行うことによる説明が検証されることになりました。

平成26年9月11日の会議では、出荷を停止するか否かを判断するため弁護士に相談する方針とされました。取締役NTB氏は、同月12日、コンプライアンス部門長LCS氏とともに外部の法律事務所を訪問し、弁護士から、本件出荷を停止した方がよい、大臣評価基準に満たない場合には国土交通省への報告が必要になる旨の助言を受け、化工品部門長KBU氏に、出荷を停止し公表措置を採ることになる旨を伝えて、手順を示した資料の準備を指示しました。

平成26年9月16日午前の会議(正式な取締役会ではありません)には、取締役NTB氏、取締役GTK氏、取締役KNR氏及び代表取締役SCH氏らが最初から参加し、弁護士の助言の報告もされて、減衰定数の乖離値が大臣評価基準に適合しないことから本件出荷を停止する方針が採られ、直ちに国土交通省に報告することが確認されました。取締役TSA氏は途中から参加し、その時点では既に出荷停止と報告の方針が決まっており、報告の担当者が議論されていました。この会議のスライドには、「出荷を停止する。」との記載がありました。

同日午後、技術本部長の報告を受けて出荷停止の方針が撤回された

判決の認定によれば、平成26年9月16日午後、技術本部長HJK氏から取締役NTB氏に、機差検定の結果を織り込むと本件出荷品は大臣評価基準に適合するので出荷停止の必要はない旨の電話があり、本社会議室と工場をテレビ会議で接続した会議(正式な取締役会ではありません)が開かれました。出席者は、取締役NTB氏、取締役GTK氏、代表取締役SCH氏、コンプライアンス部門長LCS氏、子会社社長FKM氏らでした。

技術本部長HJK氏は、直径60センチメートルの試験体を2台の試験機で測定したところ実測値に1.4倍程度の差異が生じたとして、0.015ヘルツでの実測値に振動数の補正を行わない方法を採用し、かつ1.40倍の機差補正その他必要な補正を行うと、本件出荷品の性能指標を大臣評価基準に適合させることが可能であると報告しました(本件技術報告)。会議では、取締役NTB氏や取締役GTK氏を含めて異論は出されず、午前に確認された出荷停止の方針が撤回され、予定どおり9月19日に出荷することとされました。

取締役TSA氏と取締役KNR氏は、別の会議の予定があったため、この会議に出席していませんでした。取締役KNR氏は同日夕方頃、取締役TSA氏は同月18日午前頃、本件技術報告を踏まえて出荷が実施されることになった旨の報告を受けました。免震ゴム製造子会社KHNは、平成26年9月19日、本件出荷をしました。

過去の出荷品が基準に適合しないことが明らかになった後も、報告・公表はされなかった

判決の認定によれば、平成26年10月6日の会議では、本件技術報告に基づいて再計算しても、過去に出荷された本件型式品のうち少なくとも3物件で減衰定数の乖離値が大臣評価基準に適合しないことが報告されました。取締役GTK氏は、同月23日午後に品質保証委員会を開催することを決めて出席を依頼し、同月17日には取締役NTB氏に、「もう我々は逃げられないと覚悟している」旨のメールを送りました。

平成26年10月23日午前の会議では、技術本部長HJK氏が、従前の補正の方法は技術的根拠が乏しく補正係数の設定が適切でなかったと総括したうえで、本件技術報告の方法で補正してもなお、物件全体の平均の乖離値が±10パーセントを超える物件が26件、個々の製品の乖離値が±20パーセントを超える物件が少なくとも4件あると報告しました。他方で、技術本部長HJK氏は、非タイヤ事業本部と免震ゴム製造子会社KHNの担当者の総意として、社内特例として処理し、リコールは不要であるとの見解を示しました。取締役GTK氏、取締役TSA氏及び取締役KNR氏はこの見解に反対しましたが、会議の結果、引き続き社内で調査検討を継続すべきであるとされ、当日午後の品質保証委員会の開催は見送られました。

この会議の後の打合せの内容を取締役KNR氏がまとめたメモには、基準に適合しない製品が用いられている物件を10件未満とすることを理想として技術的検証を継続すること、建物全体の安全性への影響が小さいことを社内で確認すること、第三者である免震分野の権威に相談し、国土交通省への報告が不要であることや建替え・交換が不要であることの確認を得ることがポイントであることなどが記載されていました。

平成27年2月に出荷停止と国土交通省への報告、同年3月に公表

判決の認定によれば、平成27年1月、試験の結果、2台の試験機の差異は1.2倍にとどまること、本件技術報告の方法で補正しても基準に適合しない出荷済み製品が多数あることが判明し、研究所技術者OKN氏らは、申請書類の記載によれば0.5ヘルツを基準振動数とすることが前提とされており、0.015ヘルツを基準とすることには技術的な根拠がない旨を報告しました。これを受けて外部の弁護士への相談が行われ、平成27年2月2日に出荷停止が判断され、同月9日、本件型式品が使用されている55物件について国土交通省に報告がされ、同年3月13日に事実が公表されました。

利害関係のない弁護士で構成された社外調査チームの報告書(平成27年6月19日提出)には、開発担当技術者KGS氏が少なくとも延べ20個の大臣認定の取得に際して技術的根拠のない乖離値を記載して申請したこと、平成12年11月から平成27年2月までに出荷された175物件のうち、本件出荷品を含む129物件が大臣評価基準に適合しなかったことなどが記載されていました。免震ゴム製造子会社KHNは、本件出荷に関し、平成29年12月12日、簡易裁判所で、当時の不正競争防止法違反(品質について誤認させる虚偽の表示)により罰金1000万円に処されました。

会社の支払と、株主の提訴請求・代表訴訟

タイヤ・ゴム製品メーカーSKRは、本件出荷品が基準に適合していなかったことに伴い、構造性能評価手数料、交換製品代、改修工事費、運送費等として合計2億3929万9808円を第三者に支払い、消防組合FDUに対し、工期遅れに対する損害金と不正問題に係る人件費・旅費として1754万6907円を支払いました。また、全154棟の免震積層ゴムの交換を行うこととなり、平成27年12月期までの累計で合計466億7400万円の特別損失を計上しました。

株主HRTは、平成28年5月17日、監査役に対して責任追及等の訴えを提起するよう請求し、監査役は同年7月14日付けで訴えを提起しない旨を通知しました。株主HRTは、同月29日に本件訴えを提起しました。株主HRTは、取締役4名のほかに取締役12名に対しても訴えを提起していましたが、後にそれらの訴えを取り下げています。

事案の経緯の時系列

時期 出来事(判決本文の前提事実及び認定事実による)
平成12年12月~平成24年2月 タイヤ・ゴム製品メーカーSKRが免震積層ゴムについて多数回の大臣認定を受ける
平成25年1月 免震ゴム製造子会社KHNを設立し、化工品の製造・開発・販売部門を移管
平成25年6月 後任の設計担当者JNR氏が上司に補正係数がおかしい旨を報告。上層部・親会社には伝わらず
平成26年2月26日 子会社社長FKM氏が報告を受け、調査を指示
平成26年5月12日 親会社の取締役NTB氏らに報告。以後、取締役NTB氏の指示で調査
平成26年7月上旬 取締役GTK氏が代表取締役SCH氏の依頼で社内調査に関与。虚偽データによる大臣認定取得の説明が判明
平成26年7月17日 代表取締役SCH氏、取締役NTB氏、取締役GTK氏らに、本件型式品が基準に適合していないことなどが説明される
平成26年8月13日 取締役4名全員が、基準に適合していない可能性の報告を受ける
平成26年8月下旬 9月1日以降の本件型式品の新規受注をしない方針を決定
平成26年9月8日頃 振動数の補正を施さない方法を採る方針。それでも一部は基準に適合せず
平成26年9月12日 弁護士が、出荷を停止した方がよい、基準に満たない場合には国土交通省への報告が必要と助言
平成26年9月16日午前 本件出荷の停止と国土交通省への報告の方針を確認
平成26年9月16日午後 本件技術報告を受け、出荷停止の方針を撤回
平成26年9月19日 免震ゴム製造子会社KHNが本件出荷
平成26年10月6日 過去の出荷品の少なくとも3物件が、本件技術報告の方法でも基準に適合しないと報告される
平成26年10月23日 基準に適合しない物件が26件ある等と報告。リコール不要の見解に一部の取締役が反対するも、社内での調査検討を継続とし、品質保証委員会の開催を見送り
平成26年10月23日以降 平成27年2月までに、本件型式品が5物件に出荷される
平成27年1月 試験機の差異は1.2倍にとどまり、0.015ヘルツを基準とすることに技術的根拠がないと判明
平成27年2月2日 出荷停止の判断
平成27年2月9日 国土交通省に55物件について報告
平成27年3月13日 事実を公表
平成27年6月19日 社外調査チームが調査報告書を提出
平成28年2月15日 全154棟の交換を行うこととして、累計466億7400万円の特別損失の計上が認められる
平成28年5月17日 株主HRTが監査役に提訴請求(同年7月14日付けで不提訴の通知)
平成28年7月29日 株主HRTが本件訴えを提起
平成29年12月12日 免震ゴム製造子会社KHNが不正競争防止法違反で罰金1000万円
令和6年1月26日 大阪地方裁判所が請求を一部認容する判決

当事者の請求と主要な主張

株主HRTの請求

株主HRTは、取締役4名に対し、会社法第423条第1項に基づき、連帯して、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRに次の金員を支払うよう求めました。

  • 本件出荷の停止を判断すべき義務を怠ったことによる損害として3億円
  • 国土交通省への報告と一般への公表を判断すべき義務を怠ったことによる損害(信用毀損と社外調査チームの設置費用の合計3億0771万0197円)の一部として1億円
  • これらに対する平成28年9月2日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金(平成29年の民法改正前の法定利率によるものです)

判決が整理した3つの争点

  • 本件出荷の停止等に係る任務懈怠の有無
  • 国土交通省への報告及び一般への公表に係る任務懈怠の有無
  • 任務懈怠による損害の有無及び額

主な主張の対立

争点 株主HRTの主張 取締役4名の主張
出荷停止(取締役NTB氏・取締役GTK氏) 本件出荷品が基準に適合しないことを認識し、弁護士の助言を受け、いったん出荷停止を決めていた。本件技術報告の技術的根拠や妥当性を検討せずに出荷停止の判断を覆したことに合理性はない。0.015ヘルツを基準とすることや、長年メンテナンスされていない試験機による1.40倍の機差補正には疑問があった 技術の専門知識がなく、社内でもトップレベルの技術者であり客観的な立場で調査できる技術本部長HJK氏の報告を信頼した(信頼の原則)。基準を満たさなければ出荷せず、満たせば出荷するという一貫した方針に基づいて判断した。出荷したのは独自の組織を持つ子会社であり、親会社の取締役が責任を負うには子会社の意思決定を実質的に支配したことが必要である
出荷停止(取締役TSA氏・取締役KNR氏) 出荷停止の撤回を知った際、監視義務として出荷停止を指示し、又は出荷先に基準に適合しない可能性を伝えるよう指示すべきであった。技術本部長HJK氏が免震積層ゴムの専門知識を有しないのに、報告の内容や根拠を確認しなかった 大規模で分業された会社であり、担当外の事業である。出荷を決めた会議には出席しておらず、担当取締役や技術担当者の判断を信頼することに問題はない
報告・公表 平成26年9月16日の時点、遅くとも同年10月23日の時点で、国土交通省への報告と一般への公表をする判断をすべきであった。不祥事の隠蔽には強い批判が向けられ、速やかな調査と公表は会社の自浄能力を示し損害を防止する 9月16日の時点では本件技術報告により基準に適合すると考えていた。10月23日の時点でも、基準に適合しない製品の範囲と原因を特定し、交換等の方針・体制を整えたうえで報告・公表をすべきであり、不確実な情報は公表できない。建物の安全性に問題がないことは確認されていた
損害 特別損失466億7400万円に照らし3億円を下らない。予備的に、補償費用等合計2億5684万6715円。社外調査チームの費用と、信用毀損1億円 出荷を停止しても代替品の費用や遅延損害金は避けられない。公表時期の違いで信用毀損の額に差はなく、社外調査チームはいずれにせよ設置された

上の表は、判決本文に記載された当事者の主張を当事務所が要約したものであり、裁判所が認めた事実ではありません。

結論を左右した争点

判決は、出荷停止に係る責任について取締役ごとに判断を分け、報告・公表に係る責任については時点ごとに判断を分けました。結論を分けたのは、次の点でした。

  • 大規模で分業された会社の取締役が、下部組織の報告に依拠して「基準に適合する」と認識・評価したことについて、依拠することに躊躇を覚えさせるような特段の事情があったか
  • その判断にあたり、取締役の地位・担当職務、知識・経験、案件との関わりの程度、認識していた事情がどうであったか
  • 製品の基準が建物の安全性に関わるものであることから、より慎重な検討が求められたか
  • 国土交通省への報告・一般への公表の義務が、どの時点で、調査の進捗、基準違反の内容と影響、取締役の認識に照らして具体的に生じていたか
  • 任務懈怠と相当因果関係のある損害がどの範囲か

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み

認定された重要な事実

  • 取締役NTB氏は、平成26年5月から調査に当たり、補正係数の技術的根拠への疑問、実物大製品の物性の変化、試験機のメンテナンスが10年以上されていないことなどの報告を度々受けていた
  • 取締役GTK氏は、平成26年7月上旬から調査に関わり、技術統括センター長と品質保証委員会の委員長として、補正係数の問題や試験機の状態を認識していた
  • 平成26年9月8日頃に決めた方針によっても、本件型式品には基準に適合しないものがあり、取締役NTB氏と取締役GTK氏はこれを認識していた
  • 弁護士から出荷を停止した方がよいとの助言を受け、9月16日午前にはいったん出荷停止の方針が採られた
  • 本件技術報告をした技術本部長HJK氏は、免震積層ゴムについて自ら技術的知識を有していなかった
  • 取締役TSA氏と取締役KNR氏は、免震積層ゴムの品質管理に直接携わる地位になく、出荷を決めた会議にも出席していなかった
  • 平成26年10月23日には、本件技術報告の方法でもなお基準に適合しない物件が26件あると報告され、取締役4名の間で基準に適合しないものがあることは明らかになっていた
  • 国土交通省への報告は、その3か月以上後の平成27年2月9日であり、その間に本件型式品が5物件に出荷された

出荷停止の判断に関する判断の枠組み

判決は、製品出荷の可否の判断は一般的には経営判断の問題であるとしつつ、法令や大臣認定によって備えるべき品質や性能の基準が定められている製品については、その基準に適合しない製品を販売することは許されないとして、次のように述べました。

「当該製品が前記の基準を備えていないときは、取締役には、出荷停止によって当該会社に生じる直接的な損失の存在を考慮しても、当該製品の出荷の停止を判断することが求められているというべきである。」

そのうえで、判決は、事後的に基準に適合していなかったことが分かったからといって当然に責任を負うわけではないとして、次のように述べました。

「もっとも、このような判断は、取締役にとって、限られた情報の下で時には迅速に行う必要のある性質のものであるから、当時得られた情報の下では出荷停止の判断に至らなかったものの、事後的にみると前記の備えるべき品質や性能等についての基準に適合していなかったときに、当該取締役が当然に善管注意義務違反に係る責任を負うということはできず、事後的にみると前記の基準に適合していなかったときにおいても、当該取締役の地位や担当職務等を踏まえ、前記の基準に適合すると認識ないし評価した取締役の当時の当該認識ないし評価に至る過程が合理的なものである場合には、かかる認識ないし評価を前提に、当該判断の当否について検討すべきである。」

さらに、大規模で分業された会社の取締役が下部組織の検討結果を信頼することについて、次のように述べました。

「そして、当該会社が大規模で分業された組織形態となっている場合には、取締役が各種の業務を分担する各部署で検討された結果を信頼してその判断をすることは、取締役に求められる役割という観点からみても合理的なものということができ、そのような場合には、当該取締役の地位及び担当職務、その有する知識及び経験、当該案件との関わりの程度や当該案件に関して認識していた事情等を踏まえ、下部組織から提供された事実関係やその分析及び検討の結果に依拠して判断することに躊躇を覚えさせるような特段の事情のない限り、前記の基準に適合するとの認識ないし評価に至る過程は合理的なものということができる。」

そして、基準が製品の安全性に関わるものである場合について、次のように付け加えました。

「前記の基準が当該製品等の安全性に関わるものである場合には、取締役としては、前記の基準に適合するとの認識ないし評価に至る過程が合理的なものであるのか、すなわち、下部組織から提供された事実関係やその分析及び検討の結果に依拠して判断することに躊躇を覚えさせるような特段の事情があるか否かについて、より慎重に検討することが求められるというべきである。」

判決は、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRが、売上高が4000億円を超え、連結従業員数が1万1333名であるなど経営規模の極めて大きな会社で、業務が種々の部署で分担されている大規模で分業された組織形態であるとして、この枠組みを取締役4名それぞれに当てはめました。

報告・公表の判断に関する判断の枠組み

判決は、本件型式品が、大臣認定によって品質や性能の基準が定められ、その基準への適合を前提に販売され、建物の耐震性能の維持に直結する機能を有するものであることから、次のように述べました(判決本文の「国交省」は国土交通省を指します)。

「かかる製品を販売する企業の取締役としては、出荷済みの製品が大臣評価基準に適合しないものであった場合には、可及的速やかに国交省に報告するとともに、一般に向けてかかる事実を公表することが求められるというべきである。」

他方で、判決は、調査が不十分なまま報告・公表をすることの問題にも触れ、次のように述べました。

「そして、大臣評価基準に係る基準違反の内容、それによる影響の程度、改修の方法及び可否等の事情が明らかでないまま不正確ないし不確実な報告・公表をした場合、かえって不必要な混乱を招くなど当該製品や当該製品を用いる建物の安全性に対する信頼を損ねるおそれもあるものの、そのような調査に要するとして長期にわたって報告・公表をしないことは通常は相当ではなく、また、基準違反の内容やそれによる影響の程度等によっては、調査の途中においても速やかに何らかの報告・公表をすべき場合もあると考えられる。」

そのうえで、報告・公表の義務の有無は、取締役の地位・担当職務を前提に、調査の進捗状況と内容、基準違反の内容と影響の程度、取締役が認識した事情などを踏まえて、時点ごとに具体的に判断されるとしました。

判断の枠組みの整理

判決が示した判断の枠組みは、当事務所の整理では次のとおりです。

  • 出荷停止については、法令等の基準に適合しない製品であれば出荷停止の判断が求められることを前提に、取締役が「基準に適合する」と認識・評価した過程が合理的であったかを問います。大規模で分業された会社では、下部組織の検討結果に依拠することは原則として合理的ですが、依拠することに躊躇を覚えさせる特段の事情があれば合理的とはいえません。安全性に関わる基準であれば、特段の事情の有無をより慎重に検討することが求められます。
  • 報告・公表については、可及的速やかに行うことが求められることを前提に、不確実な報告・公表による混乱のおそれも考慮しつつ、調査を理由に長期にわたり報告・公表をしないことは通常は相当でないとし、時点ごとの具体的な事情から義務の有無を判断します。

各主張を採用し又は排斥した理由

取締役NTB氏―本件技術報告に依拠することに躊躇を覚えさせる特段の事情があった

判決は、まず、取締役NTB氏が本件出荷品が基準に適合しないことを認識していたとの株主HRTの主張については、これを認めるに足りる証拠はないとしました。そのうえで、取締役NTB氏が本件技術報告を受けて基準に適合すると認識・評価した過程が合理的であったかを検討しました。

判決は、取締役NTB氏は、免震積層ゴムの製造・出荷業務に直接従事した経験はなかったものの、免震ゴム製造子会社KHNの担当取締役として同社の業務の一般的な指揮監督を行う立場にあったとしました。そして、平成26年5月から度々基準に適合していないことを示唆する報告を受け、試験機のロードセルの校正が10年以上行われていないこと、摩擦係数が推定に基づくものであることを認識し、本件技術報告の直前には、決めた方針によっても基準に適合しないものがあることを認識し、弁護士からも出荷を停止した方がよいとの助言を受けていたことを指摘しました。

本件技術報告の内容について、判決は、報告をした技術本部長HJK氏が免震積層ゴムについて自ら技術的知識を有していなかったことに加え、基本的性能が不明といわざるを得ない試験機を前提とする1.40倍の機差補正が正当なものといえるのかについて、技術系の業務に従事してきた取締役NTB氏には疑問を感じることができたとしました。さらに、免震積層ゴムは建物の耐震性能の維持に直結する指定建築材料であり、より慎重に出荷の当否を判断すべきであったとして、次のように結論付けました(引用中の当事者の表記は本記事の表記に置き換えています)。

「建物の安全性に関わる本件出荷品の出荷について、取締役NTB氏には、本件技術報告等に依拠して判断することに躊躇を覚えさせるような特段の事情があったということができ、したがって、取締役NTB氏の本件出荷品が大臣評価基準に適合するとの認識ないし評価に至る過程は合理的なものであるということはできない。」

判決は、取締役NTB氏は本件出荷の停止を判断すべき注意義務を負っていたのに、一旦行った出荷停止の判断を覆し本件出荷を行う判断をしたとして、任務懈怠を認めました。

子会社が出荷したことは、親会社の取締役の責任を左右しない

取締役NTB氏は、子会社の業務執行についてまず責任を負うのは子会社の取締役であり、親会社の取締役が責任を負うには子会社の意思決定を実質的に支配したと評価できることが必要であると主張しました。判決は、免震ゴム製造子会社KHNが完全子会社として設立され、親会社の部門の移管を受け、グループ内の組織上は化工品部門の一部門に位置付けられていたこと、子会社の役員が親会社の従業員の地位を有し、毎月の幹部会議で親会社の事業本部長等の指揮監督を受けていたこと、出荷の可否が親会社の取締役が参加した会議で決定され、損害賠償金も親会社が支払っていることを挙げ、次のように述べました(引用中の当事者の表記は本記事の表記に置き換えています)。

「本件出荷に係る判断は、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRの業務執行の一環として行われたものというべきであり」

判決は、この主張は取締役NTB氏の注意義務に係る判断を左右しないとしました。

取締役GTK氏―品質保証の責任者として疑問を感じることができた

判決は、取締役GTK氏についても、本件出荷品が基準に適合しないことを認識していたとの事実は認められないとしたうえで、技術統括センター長と品質保証委員会の委員長として、必要があればその権限を行使して更なる調査を求めるなどして基準に適合しない製品が出荷されないように取り組むべき責任を負う立場にあったとしました。そして、取締役GTK氏は、平成26年7月上旬から補正係数の技術的根拠に疑問があることを認識し、本件技術報告の直前には基準に適合しないものがあることと弁護士の助言を認識していたこと、技術系の業務に従事してきた取締役GTK氏には本件技術報告に疑問を感じることができたことから、取締役NTB氏と同様に、本件技術報告に依拠して判断することに躊躇を覚えさせる特段の事情があったとして、出荷停止に係る任務懈怠を認めました。

取締役TSA氏―出荷を決めた会議に出席しておらず、検討結果を信頼したことに合理性がある

判決は、取締役TSA氏が、タイヤ事業本部に所属して免震積層ゴムの業務に携わった経験がなく、本件出荷品の基準への適合性の確保や品質管理に直接携わる地位や職務に就いていなかったこと、平成26年8月13日の報告内容も理解しづらいものであり、それまでの具体的な検討経過や問題点を十分に認識していたかには疑問が残ること、本件技術報告のあった会議を欠席し、報告の内容や根拠について直接説明を受けていないことを指摘しました。そのうえで、適合性の検討は担当の取締役NTB氏や取締役GTK氏、技術本部長HJK氏らにおいて行われていたとして、次のように述べました。

「このような調査等を行ってきた同人らによる本件出荷品は大臣評価基準に適合するとの検討結果を信頼して考えることには一定の合理性があるといえる」

判決は、取締役TSA氏には本件技術報告や担当取締役らの検討結果に依拠して判断することに躊躇を覚えさせる特段の事情があったとは認められず、認識・評価に至る過程は合理的であるとして、出荷停止を指示する義務や、出荷先に基準に適合しない可能性を伝えるよう指示する義務を負っていたとはいえないとしました。

取締役KNR氏―技術の専門知識がなく、検討結果を信頼したことに合理性がある

判決は、取締役KNR氏についても、文系出身の総合職で技術についての専門的知識を有せず、品質管理に直接携わる地位になかったこと、本件技術報告のあった会議を欠席し直接説明を受けていないことを指摘しました。判決は、取締役KNR氏が基準に適合しない可能性の報告を受け、弁護士の回答も聞いていたと考えられることを認めつつも、取締役TSA氏と同様に、担当取締役らの検討結果を信頼して考えることには一定の合理性があるとして、出荷停止に係る任務懈怠を否定しました。

平成26年9月16日の時点では、報告・公表の義務はなかった

判決は、取締役NTB氏と取締役GTK氏の認識・評価は合理的なものではなく、弁護士から報告が必要になる旨の助言も受けていたとしながら、9月11日の会議では機差を解消する補正によって基準の範囲内に収まるかが引き続き検討されることとされていたこと、本件技術報告には疑義があったものの、基準に違反することが明らかとなっていた状況ではなく引き続き調査が必要な状況であったことから、9月16日の時点で国土交通省への報告義務や一般への公表義務を負っていたとはいえないとしました。取締役TSA氏と取締役KNR氏についても、認識・評価に至る過程が合理的であったことから、同様に義務を否定しました。

平成26年10月23日の時点では、取締役4名全員に報告・公表の義務があった

判決は、平成26年10月23日には、基準への適合性を支える最後の根拠ともいうべき本件技術報告によっても基準への適合性を否定する状況になっていたこと、一部の取締役がリコール不要の見解に反対し、取締役KNR氏のメモも基準に適合しないものがあることを前提に今後の方針を協議していたことから、取締役4名の間で本件型式品の中に基準に適合しないものがあることは明らかになっていたとしました。そして、本件型式品が建物の安全性に関わり、既に相当数の建物で使用されていたこと、改修方法等を示して報告・公表するにはなお時間を要し、それを待っていてはいつ公表できるか全く明らかでない状況であったことから、取締役4名は、この時点で国土交通省に報告する判断をすべき義務と一般への公表をする判断をすべき義務を負っていたとしました。判決は、取締役4名が社内での調査検討を継続すべきであると判断し、報告・公表の判断をしなかったことを、これらの義務の違反としました。

なお、判決は、本件型式品以外の免震積層ゴムについては、同日の時点で報告義務・公表義務があったとはいえないとしています。

製品の範囲と原因を特定し、体制を整えてから公表すべきであったとの主張は採用されなかった

取締役4名は、建物の安全性には問題がないことが確認されていた、基準に適合しない製品の範囲や原因を特定し、交換対応等の方針・体制を整えたうえで公表等をすべきであったと主張しました。判決は、仮に東日本大震災を経験した建物に具体的な問題が生じていなかったとしても、立地条件等によっても異なり、少なくとも基準に適合することによって満たされる安全性に係る性能は有していないことが既に明らかになっていたとしました。また、交換対応等の方針・体制がいつ整うのか具体的な見通しも明らかでなく、実際に国土交通省に報告されたのは3か月以上後であったこと、取締役NTB氏はリコールは不要であるとの立場を採り、取締役KNR氏のメモにも物件数を少なくするための技術的検証や交換工事が不要であることの確認の取得が記載されていたことから、交換や補修等の対応が行われる見込みがあったのかさえ疑義のある状況であったとして、この主張を退けました。

損害についての判断

出荷停止に係る損害―改修工事費と不正問題への対応費用に限って認めた

判決は、株主HRTが主張した特別損失466億7400万円について、175物件に出荷していたことからその大部分は本件出荷以前の出荷品の交換工事等の費用であると考えられ、出荷停止に係る任務懈怠がなければ避けられた部分も明らかでないとして、これをもって3億円の損害を認めることはできないとしました。

そのうえで、判決は、会社が第三者に支払った費用のうち、建物をジャッキアップして代替品の免震積層ゴムと取り換える改修工事費1億3099万0948円と、消防組合FDUに支払った額のうち不正問題への対応に係る人件費・旅費729万7862円は、出荷停止に係る任務懈怠がなければ支出することがなかったとして、取締役NTB氏と取締役GTK氏の任務懈怠と相当因果関係のある損害と認めました。合計は1億3828万8810円です。

他方で、出荷を停止した場合にも代替品を納入する契約上の義務があり、納入が遅れれば履行遅滞の責任が生じることから、交換製品代、構造性能評価手数料、運送費等や工期遅れに対する損害金は、出荷を停止して代替品を納入する場合にも生じ得る費用であるか、出荷を停止しなかったために生じた費用といえるのか明らかでないとして、損害と認めませんでした。

報告・公表に係る損害―社外調査チームの費用は否定し、信用毀損2000万円を認めた

判決は、社外調査チームの設置費用2億0771万0197円について、平成26年10月23日の時点で報告・公表の判断をしていたとしても、175物件の大部分は既に出荷済みであり、不正の規模に照らしても、社内調査のみで足りたとは認められないとして、損害と認めませんでした。

信用毀損については、判決は、全154棟の交換と累計466億7400万円の特別損失に至る規模の不正であったこと、平成26年2月頃には基準を満たしていない製品が販売されている可能性が判明し、同年10月23日には取締役4名の間で基準に適合しないことが明らかになっていたのに報告・公表が遅れたことを指摘しました。さらに、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRでは、平成19年10月に、別の建築材料(断熱パネル)について技術的根拠のないデータで国土交通大臣の認定を不正に取得していた問題が発覚し、平成20年1月に原因と再発防止策を公表して社会的信用の回復が図られていたにもかかわらず、同種の問題について速やかに報告・公表を行わなかったとして、次のように述べました(引用中の当事者の表記は本記事の表記に置き換えています)。

「このような姿勢に対するタイヤ・ゴム製品メーカーSKRの信用の失墜の程度は大きいといわざるを得ない。」

判決は、平成26年10月23日以降に本件型式品が5物件に出荷されたが、その時点で報告・公表の判断をしていればこの出荷は行われなかったと考えられること、不正の可能性を把握してから国への報告まで1年を要しその間も出荷が続いたことを批判する報道もされていたことなども考慮して、信用毀損による損害を2000万円と認めました。

主文及び結論

判決の主文は、次のとおりです(第1項から第3項及び第5項。主文の当事者の表示は本記事の表記に置き換えています)。

「1 取締役NTB氏及び取締役GTK氏は、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRに対し、連帯して1億3828万8810円及びこれに対する平成28年9月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
「2 取締役4名は、タイヤ・ゴム製品メーカーSKRに対し、連帯して2000万円及びこれに対する平成28年9月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
「3 株主HRTのその余の請求をいずれも棄却する。」
「5 この判決は、第1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。」

主文第4項は訴訟費用の負担を定めており、株主HRTに生じた費用の80分の49を株主HRTの負担とするなど、当事者ごとに負担の割合を定めています。訴訟費用についての仮執行宣言の申立ては却下されています。

取締役 出荷停止に係る責任 報告・公表に係る責任 支払を命じられた額
取締役NTB氏(担当取締役) 肯定 平成26年9月16日時点は否定、同年10月23日時点は肯定 1億3828万8810円(取締役GTK氏と連帯)と2000万円(4名連帯)
取締役GTK氏(技術統括・品質保証の責任者) 肯定 同上 1億3828万8810円(取締役NTB氏と連帯)と2000万円(4名連帯)
取締役TSA氏(タイヤ事業担当の代表取締役) 否定 同上 2000万円(4名連帯)
取締役KNR氏(管理・コンプライアンス担当) 否定 同上 2000万円(4名連帯)

いずれの金額にも、平成28年9月2日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金が付されています。この表は、判決本文に基づいて当事務所が作成したものです。控訴の有無及び確定は、判決本文からは確認できていません。

判断の射程

以下は、判決の内容を踏まえた当事務所の評価です。判決が述べた事項と区別してお読みください。

参考となる点

  • 法令等の基準に適合しない製品であれば、出荷停止による損失を考慮しても出荷停止の判断が求められること。判決は、製品出荷の可否は一般的には経営判断の問題であるとしつつ、法令や大臣認定で品質・性能の基準が定められた製品については、基準に適合しない製品を販売することは許されないとしました。
  • 下部組織の報告への信頼は、取締役ごとに評価されること。同じ報告を受けて同じ結論に至った取締役でも、担当職務、技術的な知識・経験、案件への関わりの程度、それまでに認識していた事情によって、責任の有無が分かれました。調査を指揮し問題点を詳しく認識していた担当取締役と品質保証の責任者は責任を負い、担当外で会議にも出席していなかった取締役は責任を負いませんでした。
  • それまでの検討経過と矛盾する「都合のよい報告」には、慎重な検討が求められること。判決は、いったん出荷停止を決め、弁護士からも出荷停止の助言を受けていた状況で、専門知識を有しない者による、基本的性能が不明な試験機を前提とする補正の報告を受け入れたことを問題としました。安全性に関わる製品では、特段の事情の有無をより慎重に検討することが求められています。
  • 子会社が出荷した製品でも、親会社の取締役の任務懈怠が問われ得ること。判決は、子会社が親会社の部門の移管を受けて一部門として位置付けられ、出荷の判断が親会社の取締役によってされ、損害も親会社が負担しているといった事情から、出荷の判断を親会社の業務執行の一環としました。
  • 報告・公表の義務は時点ごとに判断され、「調査が終わるまで待つ」ことには限界があること。判決は、不確実な報告・公表による混乱のおそれを認めつつ、調査を理由に長期にわたって報告・公表をしないことは通常は相当でないとし、社内で基準に適合しないものがあることが明らかになった時点で報告・公表の判断をすべきであったとしました。
  • 過去に同種の不祥事があった会社では、報告・公表の遅れによる信用毀損が大きく評価され得ること。判決は、過去の大臣認定の不正取得の問題の後に信用の回復が図られていたことを、信用失墜の程度が大きいとする理由に挙げました。
  • 損害は、任務懈怠がなければ避けられた費用に限られること。判決は、出荷を停止しても生じ得た代替品の費用や工期遅れの損害金、いずれにせよ必要であった社外調査の費用を損害から除き、会社全体の特別損失の額から損害を推し量る主張も採用しませんでした。

一般化できない点

  • 本判決は、建物の耐震性能に直結する指定建築材料という、安全性に関わる製品についての判断です。安全性に関わらない品質の基準の場合に、同じ程度の慎重さが求められるかは、本判決からは分かりません。
  • 本判決は、取締役NTB氏や取締役GTK氏が本件出荷品が基準に適合しないことを認識していたとの事実は認めていません。責任は、基準に適合すると認識・評価した過程が合理的でなかったことに基づくものです。
  • 本件では、出荷の判断が正式な取締役会ではない会議でされています。取締役会の決議を経た場合の評価は、本判決からは分かりません。
  • 報告・公表の義務を認めた平成26年10月23日という時点は、本件の調査の経過と社内の認識の状況に基づく判断です。どの時点で義務が生じるかは、事案ごとの具体的な事情によります。
  • 本判決は第一審の判決であり、控訴の有無及び確定は確認できていません。

代表訴訟への備えとして、会社・役員が確認しておきたいこと

本判決を踏まえると、製品の品質不正などの不祥事が発覚した場面で、会社と役員の側では、まず、誰がどの段階で何を認識していたか、どの会議で何が決められたか、各取締役の担当職務と案件への関わりの程度を、会議資料、議事のメモ、メールなどで記録に残しておくことが大切です。判決は、会議のスライドや取締役のメモ、取締役間のメールを事実認定に用いています。

また、いったん出荷停止や報告の方針を決めた後に、それを覆す報告を受けたときは、報告者の専門性、報告の前提となる試験・データの信頼性、それまでの検討経過との整合性を確認し、必要があれば外部の専門家に検証を求めることが重要です。報告・公表については、調査の完了を待つのではなく、基準に適合しないものがあることが明らかになった段階で、判明している範囲での報告・公表を検討することが、代表訴訟への備えとしても重要になります。他方で、担当外の取締役については、担当部署や担当取締役の検討結果を信頼したことが合理的と評価された例として、本判決を参照することができます。

よくあるご質問

担当部署が「基準に適合する」と報告すれば、取締役はそれを信頼して出荷を判断してよいのですか。

本判決は、大規模で分業された会社では、下部組織の検討結果を信頼して判断することは原則として合理的であるとしました。ただし、取締役の地位・担当職務、知識・経験、案件との関わりの程度や認識していた事情からみて、依拠することに躊躇を覚えさせる特段の事情があれば、その信頼は合理的とはいえません。本件では、いったん出荷停止を決め、弁護士からも出荷停止の助言を受けていた状況で、専門知識を有しない者による、基本的性能が不明な試験機を前提とする報告を受け入れた担当取締役らの責任が認められました。

出荷を決めた会議に出席していなかった取締役も、責任を負いますか。

本判決では、出荷を決めた会議に出席しておらず、技術の専門知識もなく、品質管理に直接携わる地位になかった取締役2名について、担当取締役らの検討結果を信頼したことには一定の合理性があるとして、出荷停止に係る責任が否定されました。もっとも、この2名も、その後に基準に適合しないものがあることが明らかになった時点で報告・公表の判断をしなかったことについては責任を負いました。

製品を出荷したのが子会社であれば、親会社の取締役は責任を負わないのですか。

本判決は、そのようには判断していません。子会社が親会社の部門の移管を受けてグループ内の一部門に位置付けられ、子会社の役員が親会社の事業本部長等の指揮監督を受けていたこと、出荷の判断が親会社の取締役が参加した会議でされ、損害賠償金も親会社が支払っていることなどから、出荷の判断は親会社の業務執行の一環であるとして、親会社の取締役の責任を認めました。

不祥事の調査が終わるまで、国への報告や公表を控えてよいのですか。

本判決は、基準違反の内容や影響、改修の方法が明らかでないまま不正確な報告・公表をすると、かえって不必要な混乱を招くおそれがあることを認めつつ、調査に要するとして長期にわたって報告・公表をしないことは通常は相当でなく、内容によっては調査の途中でも速やかに何らかの報告・公表をすべき場合もあるとしました。本件では、社内で基準に適合しないものがあることが明らかになり、交換等の対応の見通しも立たない状況であった時点で、報告・公表の義務があったとされました。

取締役の責任が認められた場合、会社の損失の全額を賠償することになるのですか。

本判決では、そうはなりませんでした。会社全体では466億7400万円の特別損失が計上されましたが、判決は、任務懈怠がなければ避けられた費用に限って損害と認め、出荷停止に係る損害は改修工事費と不正問題への対応費用の合計1億3828万8810円、報告・公表の遅れに係る損害は信用毀損の2000万円としました。出荷を停止しても生じ得た費用や、いずれにせよ必要であった社外調査の費用は、損害と認められませんでした。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

2024年(令和6年)10月に最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得た弁護士です。長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件にも関与しています。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継及び企業法務

所在地 〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 森トラスト城山トラストタワー17階/電話番号 03-6435-8418/受付時間 8:00-21:00(土日祝含む)

本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。

著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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