特別支配株主の株式売渡請求権の流れ!

特別支配株主の株式売渡請求権の流れ!

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特別支配株主の株式等売渡請求の流れに関するメインのページです。本ページは、発行会社の側から、通知と承認から取得日に至るまでの日程を順を追ってご説明します。制度の利点と欠点は別のページをご参照ください。

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自社の株式の大半を保有しているが、親族や協力者の保有分と合わせてようやく90%に届く状況である。残る少数株主に株式を売り渡すよう請求できるのかを確かめたい。

本記事は、特別支配株主の株式等売渡請求権の行使を検討している株主の方に向けたものです。議決権が90%に届かない方は、株式併合によるスクイーズアウトとは 使用場面や利点と欠点など解説しますをご覧ください。

株式等売渡請求は、単独で、又は完全子法人と合算して総株主の議決権の90%以上を有する場合に限り行使することができ、親族等の保有分を合算することはできません。また、他の株主全員から買い取る必要があり、価格の決定の申立てにより買取価格が高くなる可能性があります。以下、手続の流れをご説明します。

特別支配株主の株式等売渡請求権の行使の方法

株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の10分の9以上を当該株式会社以外の者が有している場合における当該者)は、当該株式会社の株主の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができます(会社法第179条)。

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特別支配株主の株式等売渡請求権の行使の実務上のポイント

なお、特別支配株主の株式等売渡請求権の流れ(フロー)において、特に注意すべき実務上のポイントは、以下のとおりです。

① 特別支配株主は単独で、又は特別支配株主完全子法人(当該特別支配株主が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして会社法施行規則第33条の4に定める法人)の有する議決権と合算して、総株主の議決権の10分の9以上を保有しなければなりません。特別支配株主完全子法人に当たらない親族や協力株主の保有分を合算して90%以上となるにすぎない場合には、特別支配株主の株式等売渡請求権は行使できません。
② 特別支配株主はその他の株主「全員」から株式を買い取る必要があります。特定の株主に引き続き株式を保有してもらうこと言うことはできません。

③ 特別支配株主は、株式等売渡請求権を行使することができますが、売渡株主には差止請求(会社法第179条の7)及び売買価格の決定の申立て(同法第179条の8)が認められており、、株主の意図に反した株式の買取になりますので、支配株主価格での株式の買取が必要になるものと思われ、株式買取価格が高くなる可能性があります。

特別支配株主の株式等売渡請求権の行使の流れ(フロー)

特別支配株主の株式等売渡請求権の流れ(フロー)は、以下のとおりです。

 

 

1【会社法第179条の2】
株式等売渡請求は、特別支配株主の株式等売渡請求権の行使及び売渡株式の対価などを定めて、特別支配株主の株式等売渡請求権の行使をしなければならない。

 

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2【会社法第179条の3】
特別支配株主は、株式等売渡請求をしようとするときは、対象会社に対して通知し、特別支配株主の株式等売渡請求権の行使について承認を受けなければならない。対象会社(取締役会設置会社)の取締役会の決議による承認を取得しなければならない。

 

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3【会社法第179条の3】
対象会社は、特別支配株主の株式等売渡請求権の行使の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知(特別支配株主の株式等売渡請求権行使承認通知又は拒否通知)する。

 

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4【株券の提出に関する公告等】
第219条 株券発行会社は、特別支配株主の株式等売渡請求権行使の承認をする場合には、取得日(「株券提出日」)までに当該株券発行会社に対し売渡株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の1箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。

 

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5【会社法第179条の4】
対象会社は、特別支配株主の株式等売渡請求権の行使の承認をしたときは、取得日の20日前までに、株主に対し、特別支配株主の氏名又は名称及び住所などを通知(株主通知)する。

 

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6【会社法第179条の5】
対象会社は、株主通知から取得日後1年を経過する日までの間、株式等売渡請求に関する書面等の備置きを行い、株主はこれの閲覧等を行うことができる。

 

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7【会社法第179条の7】
株式等売渡請求が法令に違反する場合や手続違反がある場合は著しく不当である場合で売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめること(差し止め)を請求することができる。

 

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8【会社法第179条の8】
売渡株主等は、取得日の20日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。

 

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9【会社法第179条の8】
特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率により算定した利息をも支払わなければならない(民法改正により法定利率は年3%を基準として3年ごとに見直されます)。特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。

 

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8【会社法第179条の9】
株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。

 

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9【株券の提出に関する公告等2】
第219条 株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該株券発行会社は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。株式併合株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

平成23年に最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得た弁護士であります。長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件にも関与しております。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継及び企業法務

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