株式買取交渉
株式(議決権)が分散した後で、一人の株主に株式を集約する方法として、
任意交渉により株式取得を行う方法です。
任意交渉になりますので、その株主の承諾が必要であり、
敵対的少数株主が株式を手放すこと自体を拒否した場合や、
株式の買取価格で折り合いがつかない場合は、
株式売渡請求又は
株式併合・株式交換による取得(スクイーズ・アウト)
を目指すこととなります。

スクイーズアウト手法・株式買取交渉により 少数株主排除を実行します


24時間受付中
少数株主排除(スクイーズアウト)や株式買取りにより、経営の自由と意思決定の主導権を取り戻します

歴史のある企業の場合、相続により株式が分散してしまっていることは珍しくありません。
特に、平成2年の商法改正までは、株式会社の設立にあたり発起人(株主)が最低7名必要であったこともあり、
歴史の長い企業であるほど、株式が分散している傾向にあります。
株式が分散することで、経営の迅速な意思決定に支障をきたします。
会社法上、定款変更や組織再編などの会社経営の根本に関わる議案については、
株主総会において議決権の3分の2以上の賛成が必要とされていますが、
このような場合に敵対的少数株主が障害となることがあります。
また、少数株主が株式譲渡承認請求をする場合、 会社がこれを承認拒否したときには、 会社はその株式を高値で買い取らなければならなくなり、 多額の損失を被ってしまいます。
少数株主には、 会計帳簿閲覧請求権、 株主総会招集請求権、 株主代表訴訟提起権などの 多数かつ広範囲にわたる少数株主権があり、 これらを行使して裁判を起こされることもあります。
更に、事業承継の際に、少数株主がクーデターを起こすなど、 後々トラブルの元にもなりかねませんので、 少数株主対策は安定した経営のためには大変重要と言えます。
また、そのような少数株主の存在を嫌って、 M&Aの買い手企業はそのような会社をM&Aしませんし、 事業承継すべきご子息や親族なども事業承継を嫌がりますので、 今日、少数株主対策が非常に重要となってきています。
1株以上株式を保有していることで可能となります。
株主が株主総会において議題や議案を提案することができる権利で、 公開会社である取締役会設置会社にあっては、 6か月前より引き続き総株主の議決権の100分の1以上または300単元以上の議決権を有する株主が 提案権を行使することができるものとされています。
総株主の議決権の100分の3以上、もしくは
発行済株式の100分の3以上の株式保有で可能となります。
※ただし一定の条件があります。
敵対する少数株主が、会社の乱脈経理を発見し、
株主代表訴訟を提起したり、
社長の責任追及をしたりする目的で、
会計帳簿の閲覧・謄写を請求する場合が非常に多くなっています。
また、敵対する少数株主が、他の株主と協力する目的で
連絡先を知るために株主名簿の閲覧・謄本請求を行う場合もあります。
総株主の議決権の100分の3以上、もしくは
発行済株式の100分の3以上の株式保有で可能となります。
※ただし一定の条件があります。
役員の職務の執行に関し、
不正の行為または
法令もしくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、
当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたときは、
少数株主は、株主総会の日から30日以内に、
訴えをもって当該役員の解任を請求することができます。
総株主の議決権の100分の3以上、または
発行済株式の100分の3以上の株式保有で可能となります。
本来は、会社側が意図的に株主総会の開催を遅延させた場合に
株主側の権利を守る目的の制度ですが、
少数株主が取締役を解任したいなどの理由から
株主総会を招集することが可能になります。
分散した少数株式を集約する方法をご紹介します。
株式(議決権)が分散した後で、一人の株主に株式を集約する方法として、
任意交渉により株式取得を行う方法です。
任意交渉になりますので、その株主の承諾が必要であり、
敵対的少数株主が株式を手放すこと自体を拒否した場合や、
株式の買取価格で折り合いがつかない場合は、
株式売渡請求又は
株式併合・株式交換による取得(スクイーズ・アウト)
を目指すこととなります。
スクイーズ・アウトとは、「締め出す」という意味であり、
支配株主が、少数株主の有する株式を、少数株主の承諾を得ずに、
金銭やその他の財産を対価として取得し、
少数株主を締め出し、株主として支配権を確立すること
を言います。
株式売渡請求又は株式併合・株式交換によるスクイーズ・アウトは、
少数株主の承諾を得ないことから
紛争の端緒となることが多く、
また、株式の買取価格で折り合いがつかない場合、
裁判所が決定することとなります。
裁判所が決定する株式価格は
想定以上に高額化する可能性
もあるため、事前に弁護士に相談する必要があります。
※株式価格が想定以上に低くなることもあり、
そのような積極的にスクイーズ・アウトを実行すべき場合も多々見受けられますので、
弁護士にご相談ください。
株主一人で対象株式の議決権の
90%以上の株式を保有している株主のことを
特別支配株主と言います。
特別支配株主は、
株主総会の議決を経ずに、
対象会社の承認のみで、
他の株主の株式を強制的に取得できますので、
スピーディーにスクイーズ・アウトが可能です。
株式併合とは、数個の株式をあわせて、それよりも少数の株式にすることであり、
すべての株主の保有株式数を一律に減少させることになります。
株式併合により1株未満になった端株については、
会社や代表者が強制的に取得(買い取る)ことができますので、
少数株主の保有する株式を端株にすることによって、
少数株主を排除することができます。
株主総会での特別決議が必要なため、 この方法を実施するには 3分の2以上の議決権 を有していることが条件です。
会社が他社の株式をすべて取得して
100%子会社化する制度として株式交換という制度があります。
親会社となる会社が、少数株主が保有する会社の株式を、
株式交換によりすべて取得することにより、
その会社を100%子会社化します。
株式交換においては、子会社になる会社の株主に対して、
親会社の株式を付与する必要はなく、
現金を交付することも可能ですので、
この現金交付株式交換という手法を利用することにより、
少数株主を排除することができます。
株主総会での特別決議が必要なため、 この方法を実施するには 3分の2以上の議決権 を有していることが条件です。
スクイーズアウト手法・株式買取交渉により 少数株主排除を実行します


24時間受付中

少数株主が残存すると、
後継者が事業承継を敬遠し、買主がM&Aを敬遠し、
買い手が現れません。事業承継もM&Aも止まります。
株式の議決権を集約することが重要です。

株式買取交渉での株式集約を進めていますが、株式売買価格決定申立等で裁判になる可能性があります。
裁判となった場合も、引き続きお願いできますでしょうか?
もちろん対応可能です。
当事務所は、株式買取交渉から少数株主排除(スクイーズアウト)手続、ならびに株式売買価格決定申立等の裁判対応まで、一貫して代理人として対応します。
敵対的少数株主がいて株式買取交渉がまとまりません。弁護士が代理人になると相手方の対応が変わることはありますか?
事案によっては、代理人対応により論点が整理され、株式買取交渉の着地点が見えることがあります。
株式買取交渉が成立しない場合でも、持株比率や会社の状況に応じて、株式売渡請求、株式併合、現金交付株式交換(現金対価株式交換)等の手続選択を含めて整理します。
少数株主排除(スクイーズアウト)は、どの手法を選ぶべきですか?(株式売渡請求、株式併合、現金交付株式交換(現金対価株式交換)など)
手法は、議決権比率、対象会社の定款・機関設計、スケジュール、対価設計(株式価値)によって結論が変わります。
当事務所では、事前に論点を整理した上で、実行手続と紛争時対応(価格争い)まで見込んだ手法を選定します。
少数株主から会計帳簿閲覧謄写請求や株主総会関係の要求が出ています。放置すると問題になりますか?
権利行使が継続すると、対応負担が積み上がり、株主総会運営や経営判断に影響が出ることがあります。
早い段階で、想定される請求類型を整理し、会社側の対応方針と、少数株主排除(スクイーズアウト)や株式買取交渉を含む出口戦略を並行して検討することが一般的です。
少数株主排除(スクイーズアウト)を進めると、株式価値(対価)で争われるのが不安です。事前にできることはありますか?
対価は、手続の設計と資料整備の影響を受けます。
当事務所では、想定される争点を踏まえ、必要資料の整理、株式買取交渉・手続の進め方、紛争化した場合の対応方針(株式売買価格決定申立を含む)まで一体で準備します。
スクイーズアウト手法・株式買取交渉により 少数株主排除を実行します


24時間受付中

少数株主排除(スクイーズアウト)は、手続類型(株式売渡請求、株式併合、現金交付株式交換(現金対価株式交換)等)や、 株式価値(対価)の争い(株式売買価格決定申立を含みます)の有無により、 想定すべき弁護士費用(着手金、成功報酬、実費)が変わります。
目安報酬額については、弁護士法人M&A総合法律事務所のホームページの 弁護士費用一覧ページ のスクイーズアウトの項目をご覧ください。初回相談では、貴社の状況に応じて概算の考え方と進め方を整理します。
弁護士法人M&A総合法律事務所
〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3-1 城山トラストタワー17階
代表弁護士土屋勝裕(東京弁護士会26775)


スクイーズアウトは少数株主の承諾を得ることなく保有株式を強制的に取得する経営方法で、少数株主を排除することで経営陣や親会社の支配権を強化するために行われます。少数株主排除ともいわれています。
会社経営においては、少数株主が存在すると、少数株式に付帯する少数株主権を行使したり、株式に関する権利を主張したりするため、迅速かつ効率的な経営を実現できないこともあり、このようなスクイーズアウト(少数株主排除)の制度が存在します。
スクイーズアウトの具体的な方法は4つで、①株式等売渡請求、②株式併合、③株式交換及び④全部取得条項付種類株式の少数株主排除の方法があります。
これらの方法で、少数株主から株式を強制的に取得して排除することができます。ただ、スクイーズアウト(少数株主排除)の手法は、会社や大株主によって少数株主から非常に安い価格で株式を強制的に取得したり、少数株主の株式に関するその他の権利を侵害したりする可能性があるため、少数株主保護の観点から会社法において手続きが規定されています。
以下では、スクイーズアウト(少数株主排除)のメリットや具体的な方法、手続きの流れについて解説していきます。
スクイーズアウトとは、M&Aや組織再編の際に、少数株主を会社から排除するために、少数株主の承諾を得ることなく、保有株式を強制的に取得する手法です。株主が多くなり、株式が分散している場合に実施されることが多くなっています。
株主は株式を保有することで、株主総会で議案や議題を提案する権利を得ることができます。株主が得られる権利は、3%以上の議決権で「会計帳簿を閲覧などの請求をする権利」、10%以上で「会社解散請求権」などです。
また、そうでなくても、株主は、株主総会で議決権を行使することができたり、配当金を得たりすることが可能で、同族会社などにおいて株主は株主総会外でも経営陣に対して様々な要望を行うため、少数株主が存在すると迅速かつ効率的な経営に支障を生じます。
そのため、スクイーズアウト(少数株主排除)を行うことで、少数株主を排除し経営権を強化することができます。
スクイーズアウトは少数株主を排除し、経営の意思決定を迅速化や上場廃止、完全子会社化を実現することを目的に実施されます。
スクイーズアウトの主な目的は、以下の4つです。
企業買収の場面では、買収側が対象会社の全株式を保有することを目指すケースがあります。しかし、すべての株主から任意に株式を譲り受けるのは容易ではありません。そこでまずはTOB(株式公開買付け)などで発行済み株式の3分の2以上の議決権を取得し、その後スクイーズアウトを用いて100%の持株比率を目指すのが一般的な流れです。
株式の過半数や3分の2を保有していても、少数株主の反対により意思決定が遅れたり、不要なトラブルが生じたりすることがあります。特に、長期的な視点で経営判断を行いたい場合、短期利益を求める株主の影響は無視できません。こうしたリスクを排除するために、支配株主や経営陣はスクイーズアウトを用いて、経営の自由度を高めようとします。
議決権の比率が50%を超えれば通常の意思決定が可能となり、3分の2を超えれば特別決議も成立します。さらに100%株主となれば、他株主の意向を気にせず、すべての経営判断を単独で下せるようになります。このため、スクイーズアウトを通じて完全支配体制を築き、経営判断をよりスピーディーに行うことができるようにするのです。
スクイーズアウトにより、親会社が子会社の全株式を取得すれば、「連結納税制度」の適用対象となり、税務上のメリットを享受できます。たとえば、グループ企業間で利益と損失を相殺し、税負担を軽減することが可能です。さらに、上場子会社を非公開化する際にもスクイーズアウトは有効です。経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)などと併用すれば、株式を効率的に集めて上場廃止に持ち込むことができます。これにより、株主の短期的な要求に左右されず、経営資源を中長期の事業成長に集中できる環境が整います。
スクイーズアウト(少数株主排除)の必要性は理解したが、実際に行う方法が分からないという方もいるでしょう。そのため、ここからはスクイーズアウト(少数株主排除)の具体的な方法について解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法は、以下の4つです。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法は4つありますが、近年の選択肢としては「株式等売渡請求」と「株式併合」が多くなっています。
| 手法 | 主な要件(目安) | 決議(総会要否) | スピード感 |
|---|---|---|---|
| 株式等売渡請求 | 特別支配株主(総議決権の90%以上) | 株主総会不要/取締役会決議(非設置は取締役過半数の合意) | 最短20日程度(取得日の20日前通知が基準) |
| 株式併合 | 2/3以上の賛成を得られる株主構成 | 株主総会の特別決議(出席株主の2/3以上) | 中(総会→効力発生日の設定) |
| 株式交換 | 完全子会社化の設計(契約・備置・通知等) | 原則:株主総会承認(特別決議)※一部例外あり | 中(契約・開示フローを要す) |
| 全部取得条項付種類株式 | 定款で当該種類株式を設定できること | 株主総会の特別決議(状況により種類株主総会) | 中(定款整備→取得決議) |
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法、1つ目は「株式等売渡請求」です。
株式等売渡請求は、90%以上の議決権を持っている特別支配株主のみ利用できます。特別支配株主が会社の承認を得た上で他の株主の株式を買い取ることができます。
最終的には100%の株式を保有することができるので、完全子会社化する時に利用する方法です。
この方法は、株主総会の決議が必要ありません。対象会社からの承認は、以下のように完結します。
そのため、株式等売渡請求は迅速に請求でき最短20日程度でスクイーズアウト(少数株主排除)を成立させることができます。
株式等売渡請求を実行するポイントは、排除される株主の保護に配慮する必要があることです。法令では、少なくとも大株主が株式を取得する日の20日前までに、株式を取得する株主に対して所定の通知または公告を行わなければなりません。
また、通知または公告の日から取得日後1年の間(公開会社については6か月)、所定の事項を記載した書面を据え置き、情報開示する必要があります。
種類株式を発行する会社は、権利行使で損害が生じる可能性がある時には種類株主総会の決議が必須です。
株主総会の決議が必要ですので、株式等売渡請求のような迅速性はありません。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法、2つ目は「株式併合」です。
株式併合は、複数の株式を1つにまとめる方法で2/3以上の議決権を持っている株主である場合に利用できます。
少数株主の保有株式が1株未満になるように調整することで、その株式は端株となり株式としての効力は失われます。そのため、保有株式が1株未満の端株になると少数株主は株主としての権利を行使できません。
株式併合を利用するには、株主総会の特別決議を経る必要があります。特別決議とは、議決権の過半数を持っている株主が出席する決議方法です。出席した株主が議決権数2/3以上の賛成を得ることで可決されます。
株式併合を利用するには株主総会で定めるべき以下4事項があります。
株式併合を行う前後の発行株式数の割合を決めることです。例としては「20株を株式併合し1株にする」といった感じになります。
効力発生日は、株式併合が行われてから少数株主の保有株式が減る期日のことです。
種類株式を発行している会社は、その種類ごとに株式の併合が行われます。
この事項を決めておくことで、株式併合の効力発生と同時に、発行可能株式総数に関する定款変更が行われたとみなされます。
その数については法令上、公開会社については、効力発生日における発行済株式総数の4倍以内と定められています。
株式併合を利用する時は、効力発生日の20日前までに全株主に対して個別に「端株処理方法」や「株式併合の条件等」を含む所定事項を通知しなければなりません。
また、少なくとも株主総会の2週間前から効力発生後6か月間は、所定の事項を記載した事前備置書類で情報開示する必要もあります。
他に、有価証券報告書提出会社の業務を執行する機関は、株式併合により株主が25名未満となる見込みがある場合、株主総会の前に臨時報告書を提出しなければなりません。
また、効力発生日から6か月の間、所定の事項を記載した事後備置書面を設置し、情報開示する必要があります。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法、3つ目は「株式交換」です。
株式交換は、他会社の全発行済株式を自社の株式と交換する方法で、会社が出資している子会社について利用できます。
子会社の株式を親会社が取得するという形で活用し、100%株主になることができるので、完全子会社化する時に利用される方法です。株式交換は、2/3以上の議決権による株主総会決議で実行できます。
株式交換の場合、本来、子会社の株主には親会社の株式が交付されますので、スクイーズアウト(少数株主排除)になりません。しかし、子会社の株主には親会社の株式を交付せずに、現金を交付する現金対価株式交換という制度もあり、この方法により、スクイーズアウト(少数株主排除)が可能なのです。
平成29年度の税制適格要件の見直しが行われたことで、スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する時の選択肢として利用されるようになりました。
ただ、税制価格要件として「適格組織再編は会社の支配関係が維持されている」ことが求められます。また、子会社の事業継続要件や、従業者継続要件(子会社従業員の約80%が引き続き従事すること)も満たさなければなりません。ただ、スクイーズアウト(少数株主排除)したい場合は、通常はこの要件を満たすと思います。
効力発生日の20日前までに、全株主に対して所定事項を通知する必要があります。また、交換対象になる子会社の新株予約権がその社債に付されている場合は、原則として債権者保護手続が必要です。
さらに、株主総会の2週間前から、所定の事項を記載した事前備置書類で情報開示することが義務付けられています。
また、効力発生日から6か月の間、所定の事項を記載した事後備置書面を設置し、情報開示する必要があります。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法、4つ目は「全部取得条項付種類株式」です。
全部取得条項付種類株式は、種類株式の一種で少数株主から株式のすべてを強制的に取得できる方法で、株主総会を開催して議決権の2/3となる特別決議で可決されれば利用できます。
まず、発行株式のすべてを全部取得条項付種類株式に変更します。そして、少数株主に株式が残らないように比率を調整した上で普通株式を対価として買い上げる方法です。
全部取得条項付種類株式に変更する場合は、構成員による種類株主総会でも特別決議が必須となっています。種類株主総会の構成員は以下の通りです。
株式を変更するときは株主総会2週間前には取得対価の相当性等について情報開示しなければなりません。また、他の方法と同じ様に株主が株式を取得する20日前までには通知(もしくは公告)する必要もあります。
ただし、全部取得条項付種類株式によるスクイーズアウト(少数株主排除)は、手続きが複雑であり、株式併合によるスクイーズアウト(少数株主排除)の手続きが整備されたため、現在においては、ほとんど使用されておりません。


24時間受付中

スクイーズアウト(少数株主排除)を利用する時は、状況や目的に合わせた方法を選びましょう。ここからは、実際にスクイーズアウト(少数株主排除)を利用するメリットやデメリットについて解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)を利用するメリットは大きく3つで以下の通りです。
スクイーズアウト(少数株主排除)のメリットについてそれぞれ詳しく解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)のメリット1つ目は、「多数株主が効率良く意思決定できる」ことです。
会社経営に関する意思決定は多数株主が主導しています。しかし、株主総会等では少数株主の意見にも配慮しなければならないため意思決定に時間がかかってしまいます。
そのため、スクイーズアウト(少数株主排除)を行い、株主の数を整理することで意思決定の効率を良くできるでしょう。
また、事務処理に関しても少数株主が多いほど手間がかかるので、その点でもスクイーズアウト(少数株主排除)は有効です。
少数株主に影響されることなく、円滑で自由に経営を行いたいなら保有株式を100%にするのが理想的でしょう。
スクイーズアウト(少数株主排除)のメリット2つ目は、「税制上のメリットを得ることができる」ことです。
スクイーズアウト(少数株主排除)は、完全子会社化する場合に組織再編税制と位置づけられるので、親会社は連結納税制度を適用することができます。
連結納税制度とは、企業グループ内でそれぞれの法人の損益などを集約し、企業グループを1つの法人と捉えて課税する仕組みです。
この制度により、承継する会社の繰越欠損金の損益通算が可能になるので、黒字の会社の利益分から赤字の会社の損失分を差し引くことができます。
そのため、スクイーズアウト(少数株主排除)を利用することで、納税額を減らすことができる場合もあります。
スクイーズアウト(少数株主排除)のメリット3つ目は、「部外者による経営関与の防止ができる」ことです。
少数株主が経営に関心を持たない場合、株主譲渡を受けた第三者が経営に介入するリスクがあります。また、発起人制度の名残や相続によって株式分散が発生した場合も同様のリスクがあります。
そのため、スクイーズアウト(少数株主排除)を行い、株式を集約しておくことで第三者が介入するリスクの防止に繋がります。
次に、スクイーズアウト(少数株主排除)のデメリットについて解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)のデメリットは大きく以下の2つです。
スクイーズアウト(少数株主排除)を利用する際には、メリットだけでなくデメリットも知っておくべきでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)のデメリット1つ目は「一定の株式を保有していなければ実行できない」ことです。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法は先述しましたが、どの方法も議決権の2/3 以上は株主が株式を保有していなければ実行できません。
そのため、スクイーズアウト(少数株主排除)を議決権の2/3未満で行う場合には、TOB(公開買付け)や任意協議から始めるべきケースがあります。
ただし、この場合は他の株主に協力を求めて株式併合に賛成してもらうか株式を買い取って3分の2以上の議決権を確保することが必要です。
スクイーズアウト(少数株主排除)のデメリット2つ目は「少数株主に対抗されることがある」ことです。
スクイーズアウト(少数株主排除)には少数株主を保護するための制度があるため、少数株主から対抗されることもあります。実際に少数株主が対抗したことで、裁判になったケースもあります。
少数株主は大株主の支配権に影響を及ぼす可能性があるので、大株主にとって少数株主を排除するメリットは大きいでしょう。
しかし、少数株主から対抗されるリスクもあるため、きちんと対抗策について知っておくべきです。そのため、ここからは少数株主の対抗手段について詳しく解説していきます。


24時間受付中

少数株主の対抗手段は4つあり以下の通りです。
スクイーズアウト(少数株主排除)には、少数株主を保護する制度もあり、実際に裁判になった事例もあります。そのため、その事例も紹介しながらそれぞれ詳しく解説していきます。
少数株主の対抗手段1つ目は「差止請求」です。
差止請求とは、株式併合や株式交換・全部取得条項付種類株式による組織再編の時に、法令または定款に違反して少数株主が不利益を受ける恐れがある場合に事前に請求できる制度です。
また、株主等売渡請求の場合でも、通知あるいは情報開示義務違反等が疑われる時に取得をやめるよう請求することもできます。
ただ、法令または定款の違反として端株の対価が不当であることは該当しません。
少数株主の対抗手段2つ目は「価格決定申立権」です。
価格決定申立権とは、端株を保有することになった株主や株式交換・全部取得条項付種類株式の付与に反対する株主に与えられている権利です。
スクイーズアウト(少数株主排除)が行われても、この権利によって公正な価格で保有株式を買い取るように会社に請求することができます。
この価格決定を巡り行われた裁判があるので、2つの事例を紹介します。
まずは、レックス・ホールディングス事件です。
レックス・ホールディングスは、レストラン「牛角」などを経営している会社で、MBO(自社株買い)を実施し、その段階にあたってTOB(公開買付け)を行いました。
これに反対した少数株主に対してスクイーズアウトを行いましたが、その際の取得対価が不当に低いとして価格決定申立訴訟が開始されました。
結果として原告の主張は退けられましたが、スクイーズアウト実施時の株式取得対価は「将来に対する株価上昇の期待値(プレミアム)」を考慮しなければならないと明確にされています。
次に、ジュピターテレコム事件です。
ジュピターテレコム(JCOM)の大株主である住友商事とKDDIは、少数株主に対して全部取得条項付種類株式によるスクイーズアウトを実施した前例があります。これに対して少数株主は取得価格が不当に低いとして価格決定申立訴訟が開始されました。
結果として原告の主張は退けられましたが、判決ではプレミアムに加えて「取得日時点における客観的価値」を考慮しなければならないと明確にされました。
少数株主の対抗手段3つ目は「無効主張」です。
無効主張とは、少数株主から大株主に対して訴えを提起することができる制度です。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法によって無効主張できる期間が決まっています。特別支配株主による株式等売渡請求の場合は取得日から1年以内、株式交換の場合は効力発生日から6ヶ月以内です。
株式交換の無効主張では無効事由が必須となっていますが、会社法で細かい定めはありません。
少数株主の対抗手段4つ目は「株主総会決議取消」です。
株主総会決議取消とは、スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する際に行う株主総会でコンプライアンス違反が認められる場合に少数株主が株主総会決議取消の訴えを提起できる制度です。
この時に認められるコンプライアンス違反は以下にまとめておきます。
これに関しても実際の事例があるので紹介します。
アムスクは外資系の半導体商社で自社株を取得し上場廃止しました。その際に全部取得条項付種類株式によるスクイーズアウト(少数株主排除)を実施しようとしましたが、株主総会決議取消の訴えがなされました。
本件では原告の主張が認められ、その決議も取消処分となっています。そのため、アムスクはあらためて株主総会手続きをやり直し、法令に沿った方法で上場廃止に至っています。
ここからは、スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する際の流れを解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法としてよく利用されている株式等売渡請求と株式併合だけでなく、株式交換の3つをそれぞれ解説します。
まず、株式等売渡請求におけるスクイーズアウト(少数株主排除)の流れについて解説します。株式等売渡請求の手続きの流れは以下の4つです。
以上の4つを行い、最後に特別支配株主から少数株主に代金を支払うことでスクイーズアウト(少数株主排除)は完了します。
なお、株主が株式売渡価格に不満の場合、株主は裁判所に株式売買価格決定の申立を行うことができ、裁判所が株式売買価格を決定することとなります。
次に、株式併合におけるスクイーズアウト(少数株主排除)の流れについて解説します。株式併合の手続きの流れは以下の4つです。
株式併合におけるスクイーズアウト(少数株主排除)の場合は、その他に事前備置書類や事後備置書類の設置が必要であるなど手続きは複雑となります。また、裁判所に端株売却許可の申請も必要です。
なお、株主が株式買取価格に不満の場合、株主は反対株主の株式買取請求権を行使したうえで、裁判所に株式買取価格決定の申立を行うことができ、裁判所が株式買取価格を決定することとなります。
最後に、株式交換におけるスクイーズアウト(少数株主排除)の流れを解説します。株式交換の手続きの流れは以下のとおりです。
株式交換におけるスクイーズアウト(少数株主排除)は、その他に事前備置書類や事後備置書類の設置が必要であるなど手続きは複雑となります。
なお、株主が株式買取価格に不満の場合、株主は反対株主の株式買取請求権を行使したうえで、裁判所に株式買取価格決定の申立を行うことができ、裁判所が株式買取価格を決定することとなります。


24時間受付中

スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する際に、注意しておかなければならないこともあります。ここからはスクイーズアウト(少数株主排除)の注意点について解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する際の注意点は以下の3つです。
以上の注意点について、それぞれ詳しく解説していきます。
スクイーズアウト(少数株主排除)の注意点1つ目は「スケジュールに余裕を持つ」ことです。
スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する際にはかなり時間がかかります。比較的スピーディに行うことができる株式等売渡請求でも、20日間以上の期間が必要です。
スクイーズアウト(少数株主排除)の方法にもよりますが手続きが完了するまでに2ヶ月ほど時間がかかります。そのため、スケジュールには余裕を持っておくようにしましょう。
スクイーズアウト(少数株主排除)の注意点2つ目は「資金が必要になる」ことです。
スクイーズアウト(少数株主排除)は最終的に少数株主の株式を買い取ることになります。株式の買取価格に関しては、株価によって異なりますが、多額の資金が必要になります。
そのため、スクイーズアウト(少数株主排除)を実施する前に資金の計画をきちんと立てておきましょう。
スクイーズアウト(少数株主排除)の注意点3つ目は「少数株主から訴えられるリスクがある」ことです。
先述しましたが、スクイーズアウト(少数株主排除)には少数株主を保護する制度があるので、対抗されて訴えられるリスクがあります。
元々、スクイーズアウト(少数株主排除)は少数株主から強制的に株式を取得する方法です。そのため、大株主は少数株主に対抗されないようにするためにも十分な対策をしておきましょう。
スクイーズアウト(少数株主排除)における株価算定とは、会社が株式を集めるときに買い取る価格を決めることです。
スクイーズアウト(少数株主排除)の株価算定を行う際は、裁判所に売却許可の申請をする必要があり、申請のために、公認会計士による株価の鑑定評価書を提出しなければなりません。スクイーズアウト(少数株主排除)を行う際は、公認会計士から株式の評価額を確認しておきましょう。
また、株価算定方法は多数存在します。株価算定ごとの特徴やメリット・デメリットをしっかりと吟味した上で、どの株価算定方法を採用するかが重要となります。
スクイーズアウトでの買取価格を決める株価算定方法をまとめて紹介します。
| アプローチ | 代表手法(例) | 要点(使いどころ/注意点) |
|---|---|---|
| インカムアプローチ | DCF法/収益還元法/配当還元法 | 将来CF・収益・配当を現在価値化。予測精度と割引率に結果が左右。※配当還元法は非上場の相続で多用、M&Aでは稀。 |
| マーケットアプローチ | 市場株価法/擬似会社比較法/擬似取引比較法 | 市場価格・類似上場・類似取引を基準に推定。市場変動に敏感、比較対象の選定とデータ確保が鍵。 |
| コストアプローチ | 簿価純資産法/時価純資産法(修正簿価)/再調達原価法 | 純資産(簿価・時価)や再調達費で評価。将来利益は織り込めない。簿価は実用性低め、時価は実態反映、再調達は併用前提。 |
補足:過去の多くの裁判例では、複数の評価方法を併用して株価を定める傾向があります。
スクイーズアウトを行う際には、組織再編税制の取り扱いが重要になります。平成29年度の税制改正により、適用される手法や税務上の取り扱いが大きく見直され、実務上の選択肢が広がりました。
平成29年以前は、金銭交付を伴う株式交換によるスクイーズアウトについては税制適格要件を満たせず、譲渡益や評価損益に課税されることが一般的でした。そのため、実務では金銭交付を伴う株式交換以外の手法が選ばれる傾向にありました。
しかし、平成29年度の改正により、金銭交付を伴う株式交換も条件を満たせば適格組織再編として扱われるようになり、課税が回避できるようになりました。これにより、スクイーズアウトに利用可能な方法が広がり、より柔軟な選択が可能となっています。
従来、完全親会社が子会社の全株式を取得する際に、少数株主に金銭を交付する形では適格要件を満たさないとされていました。
しかし、改正後は親会社が子会社の議決権の3分の2以上を保有している場合、少数株主に金銭を交付しても組織再編税制上の「対価要件」を満たすものとされました。これにより、実務上の障壁が大きく緩和され、金銭交付を前提としたスクイーズアウトが実施しやすくなりました。
また、「特別支配株主の株式等売渡請求」「株式併合」「全部取得条項付種類株式」の手法についても、税制適格上、組織再編として正式に対象とされるようになったため、これらを活用したスクイーズアウトも税務上のメリットを享受できるようになっています。
かつては金銭交付を伴う株式交換が非適格とされていたため、子会社の資産は時価評価され、課税対象となるケースがありました。
ところが、平成29年改正により金銭を含む対価でも条件を満たせば適格再編と見なされるようになり、次のような恩恵が受けられます。
これらにより、親会社は連結納税グループへのスムーズな編入が可能となり、税務上の負担を大きく軽減できます。


24時間受付中

